管理業務主任者とマンション管理士試験に共通していること
このページからはいよいよ、管理業務主任者資格の試験対策へとお話を進めます。まずは試験対策で重要なポイントを整理してみます。
整理のポイントは、管理業務主任者試験とマンション管理士試験(くわえて宅地建物取引主任者試験も)の重複点を理解すること。そして一見広範に感じてしまう出題範囲の頻出箇所を押さえてしまうことです。
このページでは、管理業務主任者とマンション管理士試験の共通科目を見てみましょう。
重複科目について
管理業務主任者試験の出題範囲として想定される分野は全部で5つありました。
- 管理事務の委託契約に関すること
- 管理組合の会計の収入及び支出の調定並びに出納に関すること
- 建物及び附属設備の維持又は修繕に関する企画又は実施の調整に関すること
- マンションの管理の適正化の推進に関する法律に関すること
- ほか、管理事務の実施に関すること
この5つの出題範囲は、学びの系列の観点で整理をすると、「法令系」「会計・管理実務系」「設備系」の3系列に分けられます。
この3系列に、管理業務主任者試験では16分野の出題が、マンション管理士では18分野が紐づいています。
そして管理業務主任者試験の16分野は、すべてマンション管理士試験の18分野に含まれています。
以下に、マンション管理士試験の18分野を列挙してみます。このなかで(×)印のある2つだけが、管理業務主者試験には該当しない分野です。
法令系
- 区分所有法
- マンション標準管理規約
- 被災マンション法
- 建替え円滑化法
- 不動産登記法(×)
- 民法
- 宅建業法
- マンション管理適正化法
- その他法令(品確法等)
会計・管理実務系
- マンション標準管理委託契約書
- 会計・税務・簿記
- 民事訴訟法
設備系
- 建築
- 設備
- 維持保全
- 都市計画法(×)
- 建築基準法
- その他設備系法令
管理業務主任者の試験勉強をすることはイコール、マンション管理士試験対策の基礎づくりなる、といわれる理由はここにあります。
もちろん両資格の試験の難易度には開きがありますが、学習分野が似ており、試験日も近いことから、資格の予備校等では、同時並行の勉強でダブル資格取得を奨励する学校も少なくないようです。
一度に2つの資格を目指すことが本当に効率的かどうかについては、後のページで再度検討したいと思います。
ここでは長期展望に立つと、管理業務主任者→マンション管理士へのステップアップが、非常に現実味のある話であることをご理解いただきたく、1ページを費やしました。